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BLOG青空ブログ

2017.04.24#ニュース

井手篭コラム 『ありがとう』

先日 鹿児島建設新聞 の木陰(こかげ)コラム記事に
加工部 井手篭 が書いた内容が掲載されました

 

『ありがとう』

私は普段より心掛けていることがある。それは「ありがとう」を口に出すこと。
「ありがとう」は「有り難う」、語源は「有り難し」からきている。
〝有ることが難しい〟ことを言い、「めったにないこと」だそうだ。

私はつい最近、めったにできないことに立ち会った。それは〝妻の出産〟である。私たち夫婦は結婚後すぐに子宝にも恵まれ、順調に臨月を迎えることができた。

予定日より遅れること1週間。やっと微弱陣痛がきて、昼間は陣痛促進剤を点滴し、促進剤の影響で起こる陣痛で苦しむ妻の腰や背中をさする。夜は不規則にやってくる陣痛でなかなか眠れない。

そんな日が2日間続き、精神的にも(母子ともに)体力的にも限界が…。終わりの見えない痛みという恐怖に妻の目は力を失っていき、頑張った妻にこれ以上「頑張れ」なんて言えず、私たちは自然分娩をあきらめ、帝王切開を選択した。

手術着に着替え、これから麻酔をしようとしたとき、助産師が「もう一度頑張ってみないか。私たちが応援するから」と助言。ほかの看護師からも励ましの言葉や温かい言葉をいただき、妻の目に力が再び宿った。その様を見て、私は妻の母としての強さに驚くばかりであった。

それから3時間後…。苦難の末に無事、男の子が産まれた。この時ほど、自分一人の無力さと、人から支えられて生きていることを痛感したことはない。
若い時は〝お金〟に幸せの価値観を感じていた。しかし、お金でできることは物を買ったり、人からサービスを受けたりするに過ぎない。気持ちが満たされるように、幸せを感じるのも一時的なもので、新たに買いたい物が出てくる。

人は時に恵まれた環境を当たり前と思い、感謝の気持ちを忘れてしまいがちである。毎日の生活の中で不平不満等に目を向けるのでなく、小さな物事に感謝の気持ちを持つことが〝心の豊かさ〟につながり、幸せを感じることができるのである。

だからこそ、「ありがとう」の気持ちで自分が変われ、相手にも伝わるのである。
それを改めて気付かせてくれた妻に感謝。

本当にありがとう。